前回の記事で初代RX100、RX100M2、RX100M3の比較をしました。
RX100シリーズは小型ボディながらF1.8という高性能なレンズとスマートフォンとは比較にならない大きさの1.0型センサーを搭載しています。
今回はよりハイエンドなモデルであるRX100M4から最新のRX100M7までを比較していきます。

SONY Cyber-shot RX100シリーズ
高級コンデジで有名なSONY Cyber-shot RX100シリーズ。
初代Cyber-shot RX100が2012年に発売され、2020年現在は最新機種であるRX100M VIIを含め、8種類がラインナップされています。(Amazon価格,2020年5月25日)
- DSC-RX100M7 (2019年8月30日発売) ¥135,000
- DSC-RX100M6 (2018年6月22日発売) ¥104,800
- DSC-RX100M5A (2018年7月13日発売) ¥98,809
- DSC-RX100M5 (2016年10月21日発売) ¥112,756
- DSC-RX100M4 (2015年7月31日発売) ¥77,545
- DSC-RX100M3 (2014年5月30日発売) ¥57,500
- DSC-RX100M2 (2013年7月5日発売) ¥44,000
- DSC-RX100 (2012年6月15日発売) ¥37,480
値段が高いほど性能は良くなるのでスペックで言えばRX100VIIが最も高性能です。
しかし、資金には限りがあるのでどこまで妥協できるかが問題になってきます。

僕は真ん中のグレードであるRX100IIIを買ってみていい買い物をしたと思ってます。
RX100シリーズ全般の話やその中でもRX100IIIをおすすめ理由についてご紹介します。


RX100シリーズはボケた写真 × 綺麗な夜景が撮れる
1.0型イメージセンサーを搭載

ソニー Cyber-shot DSC – RX100シリーズに使われているセンサーは1.0型センサーと言われます。
1.0型センサーと呼ばれる理由は、レンズから受光するイメージセンサーの面積が1.0型(1インチ)だからです。
一眼レフやミラーレスではそれよりも面積の大きいAPS-Cやフルサイズと呼ばれるセンサーを使っています。
さすがに一眼レフみたいなカメラには劣りますが、スマートフォンのイメージセンサーに比べるとはるかに大きく高性能です。
センサーが大きいことのメリットですが、大きく2つあります。
一つ目は背景がボケた写真が撮れることです。
まずはiPhone XRで撮った写真。

スマホのほうにセンサーサイズが小さいカメラの場合、画像全体にピントが合います。
手前のゴジラと奥のピカチュウ両方にピントが合ってます。
次にRX100M3で撮影した写真。

手前のゴジラにだけピントを合わせ、奥のピカチュウをぼかしました。
SONY RX100シリーズは1.0型と大きいセンサーを使っているので対象の物体にだけピントを合わせ、背景をぼかすことができます。
ポートレート写真に便利です。
二つ目は暗いところでもきれいな写真が撮れることです。
スマートフォンだと夜景があまりきれいに撮れないという欠点がありました。
イメージセンサーの面積が小さく、光を受ける面積が小さいからです。
街の夜景や星空を撮影したい場合に1.0型センサーのRX100シリーズが有利です。
F1.8の明るいレンズ
RX100シリーズは広角端でF1.8と明るいです。(RX100M6,M7はF2.8)
このF値には1.8、3.5、6.3などの数値がありますが、値が小さいほど光を取り込む量が物理的に多くなります。
F値が小さいことの利点は2つあります。
- ボケた写真が撮れる
- 暗い場所に強い
一つ目の “ボケた写真が撮れる” ですが、例えば手前がメインの被写体で他をぼかしたいときにF1.8とかに設定します。

F1.8に設定したときの写真です。手前のチョコパイにだけピントが合ってます。
F値を小さくすることでピントの合う範囲が狭まり、被写体を目立たせることできます。
逆に風景や集合写真など写真全体にピントを合わせたいときにF11とか大き目に設定します。

上の写真はF11で撮影したものです。奥のポテチにもピントが合ってます。
二つ目の “暗い場所に強い” は光を取り込む量が多くなるため、少ない光でもきれいな写真を撮ることができます。
暗い場所の問題はシャッタースピードを上げることでも解決できますが手ぶれが大きくなります。
SONY RX100シリーズのようにF値が小さいカメラだと手ぶれせずに暗所で撮影できます。

RX100シリーズの中でRX100M3をおすすめする理由
RX100シリーズには8種類のラインナップがあります。
2012年のRX100から始まり、今はRX100M7が発売されています。
その中で価格・性能ともにバランスの良いRX100M3をおすすめする理由を順に説明していきます。

RX100M3 vs RX100M4 vs RX100M5 vs RX100M5A vs RX100M6 vs RX100M7 比較
RX100M3、RX100M4、RX100M5 、RX100M5A 、RX100M6 、RX100M7 の比較です。
RX100M7 | RX100M6 | RX100M5A | RX100M5 | RX100M4 | RX100M3 | |
発売年 | 2019年 | 2018年 | 2018年 | 2016年 | 2015年 | 2014年 |
Amazon価格(2020/05/25) | 135,000円 | 104,800円 | 98,809円 | 112,756円 | 77,545円 | 57,500円 |
センサー | ExmorRS | ExmorRS | ExmorRS | ExmorRS | ExmorRS | ExmorR |
画素数 | 2010万画素 | 2010万画素 | 2010万画素 | 2010万画素 | 2010万画素 | 2010万画素 |
焦点距離 | 24-200mm | 24-200mm | 24-70mm | 24-70mm | 24-70mm | 24-70mm |
開放F値(広角-望遠) | F2.8-4.5 | F2.8-4.5 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 |
動画撮影 | 4K/Full HD | 4K/Full HD | 4K/Full HD | 4K/Full HD | 4K/Full HD | Full HD |
オートフォーカス | 357点像面位相差AF/425点コントラストAF | 315点像面位相差AF/25点コントラストAF | 315点像面位相差AF/25点コントラストAF | 315点像面位相差AF/25点コントラストAF | 25点コントラストAF | 25点コントラストAF |
連続撮影速度 | AF/AE追従約20コマ/秒 | AF/AE追従約24コマ/秒 | AF/AE追従約24コマ/秒 | AF/AE追従約24コマ/秒 | 約16コマ/秒 | 約10コマ/秒 |
手ブレ補正 | 4Kアクティブ手ぶれ補正 | 4.0段 | 4.0段 | 4.0段 | 4.0段 | 4.0段 |
ズーム倍率 | 8.3倍 | 8.3倍 | 2.9倍 | 2.9倍 | 2.9倍 | 2.9倍 |
ISO感度 | 100-12800 | 100-12800 | 125-12800 | 125-12800 | 125-12800 | 125-12800 |
NDフィルター | なし | なし | あり | あり | あり | あり |
RX100M3→RX100M4
RX100M3が発売された次の年にRX100M4が発売されました。
RX100M3→RX100M4の進化で主に向上した点です。
- CMOSイメージセンサー
- 動画性能
- 連射性能
イメージセンサーがExmor RからExmor RSに進化し、より高画質な撮影が可能です。
動画性能も向上し、RX100M3のFull HDからRX100M4以降は4Kに対応しています。
連射性能は10コマ/秒から16コマ/秒に向上しました。
RX100M4→RX100M5
RX100M4からRX100M5では主にオートフォーカス(AF)と連射性能が向上しました。
- オートフォーカス
- 連射性能
RX100M4では25点コントラストAFだったのに対しRX100M5では315点像面位相差AFとなっています。
次に連射性能です。
RX100M4では16コマ/秒でしたがRX100M5では24コマ/秒です。
動物や子どもの運動会など動く被写体を撮影したい場合はRX100M5に軍配が上がります。
RX100M5→RX100M5A
発売の順はRX100M5→RX100M6→RX100M5Aですが、RX100M5→RX100M6では焦点距離など大幅な変更があったのでRX100M5の進化系であるRX100M5Aとの比較です。
RX100M5からRX100M5Aでは主に画像処理エンジンと瞳AFが向上しました。
画像処理エンジンBIONZ Xの性能が1.8倍になったそうです。
また、瞳AFが向上し、激しい動きにも対応できるみたいです。
RX100M5→RX100M6
RX100M5→RX100M6では大幅な変更が見られます。
- 焦点距離
- 開放F値
まずは焦点距離から。
RX100M5以前では24-70mmでしたが、RX100M6では24-200mmと向上しました。
24-70mmだと標準ズームレンズといった感じで扱いやすいものの撮影の幅が限定的。
RX100M6では200mmまで延長され望遠レンズとしての役割もあります。
旅行先で遠くにある被写体を撮りたいとき、望遠200mmはかなり重宝します。
反面、開放F値はF1.8-2.8からF2.8-4.5にグレードダウンしました。
コンパクトデジカメの小さなボディという制約があるので仕方ないことだとは思いますが。
RX100M6→RX100M7
RX100M7は2019年発売のRXシリーズ最新モデルです。
一番値段も高いですがその分、高性能です。
- 最新のイメージセンサー
- リアルタイム瞳AFの追加
- 動物瞳AFの追加
- マイク端子の追加
RX100M7のExmor RSでは性能が向上し、カラーフィルターを刷新しました。
人間の肌の色などを忠実に再現しています。
AF(オートフォーカス)も向上しており、人間であれば左右の瞳を選択でき、動物の瞳AFにも対応できるようです。
動画撮影をよく行う人に嬉しいのがマイク端子の追加。
高音質がほしいという方は外部マイクを接続することができます。
YouTuberにも人気が出そうなカメラです。
RX100M3 vs RX100M4 vs RX100M5 vs RX100M5A vs RX100M6 vs RX100M7 結論
長々と説明してきましたが、普通に旅行にサブ機として持って行くのであればRX100M3がコスパ最強だと思います。
RX100M6やM7の望遠200mmも魅力的ですが、そこまで望遠するならメイン機の一眼レフで撮りますし、サブ機としての価格も含めた”手軽さ”は劣ってしまいます。
個人的にRX100シリーズは旅行先にサブ機として持って行ったり、一眼レフが持ち運べないような状況で使ったりしています。
そういう非常時には24-70mmで十分じゃないかなと思っています。
F2.8までというのとNDフィルターがないのも痛いです。
じゃあRX100M4やRX100M5は?という疑問ですが、正直いってRX100M3とそこまで大きい違いが見られないです。
センサーやAFが向上しているようですが、実際に撮影でどれくらい実感できるかは微妙なところです。
- イメージセンサー
- 画像処理エンジン
- オートフォーカス
- 連射性能
- 動画性能
この中だと連射性能は比較的あったほうありがたいかなというくらい。
RX100M4では動画が4K撮影が可能でRX100M3ではFull HDです。
しかし、そもそも4K対応のディスプレイが家にないと意味ないですし、個人的には違いがわからないです。(ごめんなさい)
SONY DSC-RX100M3がコスパ最強のコンデジ


Cyber-shot RX100シリーズだとコスパ的にRX100M3が一番良さそうです。
焦点距離24-70mm、開放F値1.8-2.8。
価格も6万円を切ります。
一眼レフとレンズを買えばもっとしますので価格としても手頃です。
最初のメイン機としても使えますが、ズーム域やセンサーサイズが1.0型ということで劣ります。
APS-Cやフルサイズの一眼レフ・ミラーレスを買ったらサブ機として十分に使えるでしょう。
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